保留地を基点とした夏季フィールド調査では、部族が祖先の埋葬地であると主張する保留地東隣接地オッタークリークの状況を視察した。石炭開発計画、及び関連鉄道建設計画について、当初計画からの変更について情報を収集することができた。 オッタークリークに近接するウルフマウンテン国定史跡は、土地保全のインセンティブとして十分に効力を発揮していないものの、史跡管理に関わる国立公園局の介入によって、鉄道建設計画に関わる折衝継続が可能となっていることが確認された。 現地インタビュー調査では部族歴史保存事務局、部族政府文化委員会、及びキットフォックス・ソサエティのメンバーに、部族にとってのオッタークリークの重要性について聞き取りを行った。またオッタークリークにおける植生について、エスノボタニストに聞き取りを行った。 研究最終年度となる平成27年度は、記憶の史跡化を基とした部族の土地保全の営為をアメリカ合衆国史への反駁として捉え直し、学会発表、論文刊行をおこなった。
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