研究課題/領域番号 |
25370882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森永 貴子 立命館大学, 文学部, 准教授 (00466434)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 茶 / 商館 / 定期市 / ロシア・アメリカ会社 |
研究概要 |
平成25年度はロシアの茶貿易、商館、ロシア・アメリカ会社の毛皮交易とキャフタ貿易など、18~19世紀のロシア流通に関するテーマの報告を行った。 まず「商館研究会」の報告「ペテルブルグ建設とゴスチンヌィ・ドヴォル」では、H.25.7.14.とH.26.1.12.の2回に分け、商館としてのゴスチンヌィ・ドヴォルが港町ペテルブルグで果たした役割について報告・検討を行った。また東洋文化研究所での国際シンポジウム"What Was Shared and What Was Circulated? Towards Global History of Consumption, Secondhand Circulations and Adaptations"(H.25.11.13)では、'Tea Drinking Culture in Russia'と題し、ロシアの喫茶文化とヨーロッパの共通点・相違点を報告した。さらにモスクワの茶商人の活動とその経済・政治的ネットワークを題材に、立命館史学会大会において「ロシアの茶貿易と流通―モスクワ茶商人の視点から」(H.25.12.8)を報告した。 刊行物としては平成24年度の研究報告を活字化した「近世蝦夷地のロシア人植民者たち― 千島列島に見る日本とロシア、辺境と境界の間」『近世史サマーフォーラム2012の記録 アジアを行き交う人びとと国家―多様な歴史学の選択―』(単著)H.25.4. pp.15-25.がある。また平成25年度中に準備していた『北太平洋世界とアラスカ毛皮交易 ロシア・アメリカ会社の人びと』ユーラシアブックレット№193、東洋書林、H.26.5.25.を刊行した。 教育・交流活動として、これまでの研究を広く一般公開するため、とっとり国際塾第一回公開講座(H.25.7.20)において、「毛皮が結んだ北太平洋世界 -近世時代の日本とロシア」 と題する講演会を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夏季休暇・冬期休暇を利用してロシアに2週間程度出張し、資料の収集・調査を行っているが、数十以上の定期刊行物のデータ収集・コピー、文書館での作業には時間が全く足りない状態である。現在のところデータ集積は断片的なものに留まっており、今後さらに集約的作業が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度10月より、1年間の在外研究が決定しており、モスクワでの長期調査を行えることになった。これにより、これまで収集に時間がかかっていたデータの収集がはかどることが期待される。 また、在外研究期間中、モスクワ以外の研究機関で研究者との交流を計画しており、さらなる研究推進を図る予定である。
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