研究課題/領域番号 |
25370890
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
芝田 幸一郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50571436)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アンデス / ペルー / 考古学 / 文明 / 神殿 / 壁画 / 権力 / 排泄物 |
研究実績の概要 |
2014年8月にペルーへ渡航し9月まで滞在した。同国北部のアンカシュ州セチン博物館において、同州のワカ・パルティーダ神殿遺跡で2013年度に発掘した資料の一部を整理分析した。また同じく北部ラ・リベルタ州の州都に位置するトルヒーヨ大学内ARQUEOBIO研究所で動植物遺存体分析の打合せを行った。ワカ・パルティーダの神殿更新時に積まれた泥土層に人糞である可能性の高い資料が複数見つかり、これまでと異なるアプローチで古代アンデスにおける神殿更新と社会構造を再検討する契機となった。これらの研究成果の一部は、日本国内の学会およびイタリアとペルーでの国際会議にて発表した。また2013年度にワカ・パルティーダ遺跡の壁画から直接採取された顔料各色の予備的分析の結果について、分析を行った専門家と打合せを行った。 2013年度の発掘調査とその後の研究成果の一部について、2015年に公刊予定である2本の論文(日本語とスペイン語)にまとめた。 新聞記事や一般市民向け講演会という形での研究のアウトリーチ活動も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時における研究計画の通り、前年度の調査で出土した各種遺物の分析、および文献調査に主として従事した。壁画の顔料分析についてはペルー在住のフランス人研究者との共同研究の形で分析を依頼し、暫定的な結果を得た。壁画製作のプロセス・技法については、壁画の更新(塗替え)に関する知見を得ており、学会発表の内容に加えている。壁画の図像学的解釈については、前年度に引き続き文献調査を進めている。さらに動植物遺存体の分析から、神殿をとりまく社会についての新知見が得られつつあり、分析を担当する専門家との情報意見交換および文献研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度のペルーでの発掘調査、2014年度のペルー等での各種分析(現在も進行中)、そして日本国内で継続してきた文献調査の成果を総合する。その成果の一部を、2015年7月にエル・サルバドルで開催される第55回国際アメリカニスト会議等で発表し、またその後論文にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会・研究会等国内旅費が当初の予定より少額となったため
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次年度使用額の使用計画 |
学会・研究会等国内旅費に充てる。
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