本研究は、「従来の研究論点を技術学的観点から検証し、弥生時代後期から古墳時代前期にかけての列島社会に技術革新が果たした役割を明らかにする」という目的を掲げた。各年度の研究活動の結果、この目的を十分に達成することができた。 一方で、研究が進展した段階で、この時期の「農具と工具の組成的な全体像」を把握することが先決であるとの認識に達した。また、古代アジア諸地域との比較なども、なお検討するべき課題である。 本研究は、鉄・木・骨角といった素材を限定せず、横断的な分析を進めたものであった。今後さらに多くの研究者の協力を仰ぎつつ、本研究で培うことのできた、総合性かつ独創性に富んだ視点を発展させていきたい。
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