• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

デカン高原・巨石文化期に現れる高錫青銅器製作技術の源流の探索

研究課題

研究課題/領域番号 25370904
研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

清水 康二  奈良県立橿原考古学研究所, 調査部, 主任研究員 (90250381)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード巨石墓 / 巨石文化 / 高錫青銅 / 青銅器 / 鉄器 / 馬具 / メガリス
研究実績の概要

昨年度まででインド、マハーラーシュトラ州のデカン大学所蔵品の巨石文化期及び金石併用期の青銅器資料についてはほぼ資料調査を終了した。そこで今年度は資料調査先をナグプール大学に移した。所蔵資料はS.B.Deo教授がナグプール大学からデカン大学に異動する際に残していった資料と近年の発掘資料であるが、展示品の調査は許されなかったため、10点程度の資料調査を行ったに過ぎない。
次に今年度前半にはハイデラバード大学の協力を得て、アーンドラ・プラデーシュ州、テランガーナ州の巨石文化期の遺跡を踏査し、今後に必要となる巨石文化期の墳墓編年に必要な基礎資料を得ることができた。その後にはケララ州へ移動し、ケララ大学の協力を得てケララ州内の巨石文化期の墳墓を踏査し、その写真撮影、実測を行って基礎資料の充実に努めた。
今年度の後半にはケララ州カーサルゴート周辺の巨石文化期の墳墓についてケララ大学が発掘調査を行ったため、その発掘調査に協力し、出土遺物の観察などを行った。いずれも青銅器は出土していなかったが、ケララ州とタミールナドゥ州の境界には、19世紀に紀元前一千年紀の高錫青銅器が数多く出土しており、高錫青銅器研究には重要な地域であるため、土器の詳細な内容が公表されれば、今後の比較検討資料として貴重である。
このような資料調査と併行して、これまで作成した写真、実測資料を整理し、インド人考古学者による発掘資料の再検討と遺物、遺構の編年作業を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

デカン大学、ナグプール大学所蔵の資料に関しては、ほぼ資料調査を終了したため。したがって、インドのマハーラーシュトラ州周辺の既存の巨石文化期の青銅器資料については、概要を把握し得たと考えている。
本来はパキスタン国内の資料調査を行いたいが、残念ながら政情不安のため、状況が安定次第調査を進めるためにパキスタン現地研究者との関係を構築中である。

今後の研究の推進方策

今年度中に既存発掘資料を基にしたマハーラーシュトラ州周辺の巨石墓に関する遺物遺構編年を作成する。この編年作業において必要な追加資料調査があれば行う予定である。また、パキスタン国内で資料調査が可能な状況が生まれれば、巨石文化期併行の紀元前一千年紀の金属器資料を調査する予定である。
この他インド国内では錫が豊富には採れないため、同じく高錫青銅器が大量に出土し、錫鉱山も豊富な東南アジアの高錫青銅器を調査予定である。対象国はインド系遺物も比較的多く出土しているタイ国内を予定している。

次年度使用額が生じた理由

パキスタン国内での資料調査を予定していたが、当該国内の状況により実現できなかったため。

次年度使用額の使用計画

パキスタンの国内事情が許せば、資料調査を行う。不可能な場合は代替国としてタイでの資料調査を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 「舶載」三角縁神獣鏡と「仿製」三角縁神獣鏡との境界2015

    • 著者名/発表者名
      清水康二
    • 雑誌名

      考古学論攷

      巻: 38 ページ: 19-31

  • [雑誌論文] 南インドにおける巨石墓に関する基礎的研究2015

    • 著者名/発表者名
      上杉彰紀、清水康二、長柄毅一、杉山拓己、ヴィラーグ・ゾンタッケ
    • 雑誌名

      考古学論攷

      巻: 38 ページ: 55-78

  • [雑誌論文] The Deities of Bellows2014

    • 著者名/発表者名
      Yasuji Shimizu
    • 雑誌名

      The Proceedings of The 8th Conference of the Beginning of the Use of Metals and Alloys (BUMA8)

      巻: 8 ページ: 184-189

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi