本研究は、後期旧石器時代人類の資源獲得と技術形成という視点から、九州島北部の石材産地周辺における石刃技法の成立と展開を明らかにすることを目的として実施した。 主要な研究成果として、西北九州におけるAT降灰前後の石刃技法の技術類型化と時期的特徴を明確にしたこと、蛍光X線分析による石刃技法石器群の比較からAT降灰前後の石材消費の変化の実態を捉えたこと、剥片尖頭器と朝鮮半島南部のスムべチルゲの検討から技術や遺跡構造の相関性を明らかにしたこと、九州島における初期石刃技法の成立と展開の可能性を明確化したことが挙げられる。本研究の成果については、学会発表、論文、研究報告書によって公開した。
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