研究課題/領域番号 |
25370909
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
大島 規江 茨城大学, 教育学部, 准教授 (90420661)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 季節労働者 / アスパラガス栽培農家 / リンブルフ州 / オランダ |
研究実績の概要 |
EU域内のヒトの移動は、シェンゲン協定の発効により27加盟国の間で自由になった。しかし、新規加盟国は一定の経済条件を満たしていないことから個人の自由意思による移動は制限されている。それでも、経済的に恵まれた加盟国を目指す人は絶えず、経済的発展の著しい国々を目指す新規加盟国の人々は後を絶たない。EUの中でも低平な大地ゆえに農業の大規模化・集約化が高度に進展するオランダは、農繁期に東欧諸国から季節労働者を雇用している。季節労働者は季節労働者専門人材派遣会社を通して当該地域に提供されている。そこで本研究は、農繁期限定労働者を積極的に受け入れている農業地域を事例として、農繁期限定労働者の受け入れ地域の特徴とともに農繁期限定労働者の実態を明らかにすることを目的とした。 平成26年度は、オランダ・リンブルフ州のアスパラガス栽培農家に季節動労者の雇用について聞き取り調査を行った。事前の調査では、ポーランドからの季節労働者が増加しているとのことであったが、ポーランドのみならず、ラトビア、ブルガリア、ポルトガルなどEUのいわゆる貧国からオランダに季節動労者が入っていることが明らかとなった。これらの季節労働者は各農家と個々に契約を結んでおり、他の農家の季節労働者との接点がないことも分かった。リンブルフ州における季節労働者はアスパラガス栽培農家の規模拡大に大きく貢献しており、農繁期にはなくてはならない存在となっていることも明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は、オランダ・リンブルフ州のアスパラガス栽培農家に季節動労者の雇用について聞き取り調査を行った。事前の調査では、ポーランドからの季節労働者が増加しているとのことであったが、ポーランドのみならず、ラトビア、ブルガリア、ポルトガルなどEUのいわゆる貧国からオランダに季節動労者が入っていることが明らかとなった。 季節労働者を受け入れているオランダの各農家への聞取り調査は順調に進んでいるものの、ポーランド、ラトビア、ブルガリア、ポルトガルなど多様な国からの季節労働者と英語またはオランダ語で意思疎通を図ることは予想以上に難しく、彼らへの聞取り調査が難航している。
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今後の研究の推進方策 |
オランダの農家で季節労働者として働いているポーランド、ラトビア、ブルガリア、ポルトガルなどの方々と英語またはオランダ語で意思疎通を図ることは難しいため、聞取り調査からアンケート調査に切り替えて調査を行う予定である。また、季節労働者として働いている数の多いポーランド人に限定してアンケート調査を実施したい。その際、意思疎通をスムーズにするためポルトガル語に翻訳したアンケート用紙を用意したい。
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