研究課題/領域番号 |
25370916
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮町 良広 大分大学, 経済学部, 教授 (50219804)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 経済・交通地理学 / 対日直接投資 / 地方経済 / 外資受け入れ / グローバリゼーション |
研究実績の概要 |
外資系企業の誘致に関する日本国内での訪問聴き取り調査として、神奈川県国際ビジネス課、九州経済産業局投資交流促進課、福岡県企業立地課、福岡市企業誘致課を訪問し、対日投資誘致に関わる政策経緯、政策形成の仕組み、具体的な誘致政策と成果、関係諸機関との協力関係、地域経済への波及効果等について、担当者にインタビュー調査を行った。その結果、地方における外資誘致には多くの困難が伴うが、個別企業との地道な協議が実績につながっていることなどが解明された。 海外での訪問聴き取り調査として、外資の受け入れに成功した先進地域として知られる北フランス地方(リール都市圏)を訪問し、地方政府の外資誘致担当局、同地方に進出した日系企業3社において、インタビュー調査を行った。またジェトロパリ事務所、在仏日本商工会議所においてもインタビュー調査を行った。その結果、北フランスにおける日系企業の進出は、販売目的と製造目的に大別されること、前者の場合、ベルギーや英国との近接性が優位に働くこと、後者の場合は大手企業の動向に左右されることなどが明らかになった。 また前年度に引き続いて、世界の対内直接投資および対日直接投資に関する文献および統計資料を収集し、それらの分析を順次実行した。 研究成果の発表に関しては、9月に富山市で開催された日本地理学会学術大会において「対日直接投資の経済地理学的研究」と題する中間研究報告を行い、本研究成果の一部を公表するとともに、参加者から多数の質問や研究上の示唆を得た。また海外直接投資と関係の深い経済のグローバル化に関する研究論文を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画で予定していた海外での訪問聴き取り調査、日本国内での訪問聴き取り調査、文献および統計資料の収集と分析をほぼ予定通り実施し、かつ有益な情報を得ることができているから。また研究テーマに関する中間的な研究発表および論文刊行を実行できているから。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度も引き続き、訪問聴き取り調査、文献・資料の収集を行う。聴き取り調査に関しては、進出した外資系企業に対する聴き取りを順次実行する。さらに国内外で開催される地理学関連学会において研究の中間報告を行うとともに、国内外の専門家による研究レビューを受ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での訪問聴き取り調査の際、格安の航空券を利用したため、渡航費が当初予定を下回った。また国内での訪問聴き取り調査のうち、外資系企業へのインタビュー調査が、日程調整の結果、平成27年度に繰り延べせざるを得なかったから。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に計画していたが未実施だった訪問聴き取り調査の実施および事前準備としての文献資料等の購入に使用する。
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