第二次世界大戦直後の電気普及率は95%に達していたが,未点灯農家は全国で推定30万戸あった。本研究の目的は,未電化山村がどのような過程を経て電化されたのかを明らかにすることにあった。1952年に農山漁村電気導入促進法が制定され,この法律では農業協同組合が導入主体となり,創業資金の20%を住民が出資し,80%は同時期に設立された政府系金融機関である農林漁業金融公庫が融資することになっていた。こうして設立された形態は,1974年まで続いていた。1951年に9電力が設立されたが,住民出資を伴い電化された事実は,これまで明確にされておらず,本研究によって,ある程度明らかにすることが可能となった。
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