本研究の実績は以下の2点に要約できる。1つ目は,小地域別の人口統計を平滑化する新しい手法を提案した点である。一般的に,小地域別の人口統計は不安定であり,将来人口推計に適用した場合極端に高い値が生じる恐れがあるが,本研究で提案した手法はそうした問題を回避できる。2つ目は,その手法を用いて,2016年7月に「全国小地域別将来人口推計システム」をウェブ上に構築した点である。このシステムは,全国の21.7万余りの小地域(町丁・字)を単位として推計した,2015~60年の男女5歳階級別人口に関して,自治体ごとにそれらのデータをダウンロードできるものである。
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