研究課題/領域番号 |
25370924
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
SCHLUNZE R.D 立命館大学, 経営学部, 教授 (70319599)
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研究分担者 |
ウィリアム ベイバー 京都大学, 経営管理大学院, 特定准教授 (70573012)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 文化変容 / 立地選好 / Guanxi / ネットワーキング / 異文化能力 / 認知スタイル |
研究実績の概要 |
2014年度末までに、在日外資系企業のアメリカ人マネジャー56人と中国人マネジャー24人に対して、立地選好とネットワーキング行動に関するアンケートおよびインタビュー調査を実施し、その分析結果を検証するために、パネル調査を実施した。 中国人マネジャーに対する調査の結果からは、現地化、埋め込み、ネットワーク、あるいはグローバル化という経営方式の特徴で分類できることが分かった。アメリカ人マネジャーに対する調査の結果からは、ハイブリッドタイプに加えて、Marginalizedタイプ、Frozenタイプ、Developingタイプの4つのタイプに分類され、それは各自のそれまでの経験によって決まることが明らかになった。 また、METIや経済産業局などの産業機関、在日商工会議所に対するインタビューから、関東よりも関西の方で企業の誘致活動が積極的であることがわかった。しかし、アメリカや中国の企業の立地行動に最も強く影響を与えているのは東京という市場の魅力と中央政府の力である。関西の経済成長に役立つインプリケーションにつながるインサイトは、特に自治体の歓迎と日本で留学した外国人起業者の立地選好だと考えられる。企業・大学・地域の連携の間で異文化能力を持つ外国人を、今後、もっと戦略的に生かせなければならないという大きな課題が見えた。 また、海外の研究協力者も交えて、ここまでの研究成果をまとめ、28th International Conference of Applied Psychology (ICAP)で報告し、日本地理学会では「創造性、多様性、国際系の空間性」という国際シンポジウムを開き研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、アンケート調査、インタビュー調査、パネル調査を実施できている。 ただし、中国人マネジャーから調査への協力を得るのが難航し、回答数が期待より少ない。
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今後の研究の推進方策 |
平成25~26年度の調査の結果をさらに分析する。特に、在日アメリカ人マネジャーと中国人マネジャーの成功方式を、前回調査した在日ヨーロッパ人マネジャーの調査結果と比較することに焦点を当てる。 最終的な研究結果はオックスフォードで開催されるThe 4th Global Conference on Economic Geography (GCEG)および日本地理学会で報告し、合わせて国際経営地理学の確立に向けて議論を深めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内出張が計画日数より少なかったこと、海外研究協力者の呼び寄せを取りやめたことなどにより次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分は当初の計画に追加した研究協力者の海外学会報告の旅費等に使用する計画。
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