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2013 年度 実施状況報告書

ジオアーケオロジーと地理情報システムによる水辺の都市の古環境復原と災害史構築

研究課題

研究課題/領域番号 25370925
研究機関立命館大学

研究代表者

河角 龍典  立命館大学, 文学部, 教授 (60388105)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードジオアーケオロジー / 伊勢平野 / 安濃津 / 沖積低地 / 古環境 / 災害史
研究概要

本年度は,三重県津市に所在する中世の安濃津想定地の古環境およびそこで生じた自然災害の実態を把握するために,地形・地質の調査と遺跡の立地環境に関するGISデータベースの作成を実施した。
地形に関する調査では,対象地域には少なくとも4列の砂堆がみられ,それらの間にも堤間湿地が分布することが確認できた。安濃津周辺地域におけるハンドオーガーによる調査では,主に堤間湿地(砂堆・海潟湖跡)の堆積環境および堆積物の年代を把握することができた。また,それらの地質調査においては,津波,洪水,液状化等に伴うと考えられるイベント堆積物が検出され,研究対象地域の災害履歴を明らかにするための情報も獲得することができた。本年度は,9点の試料について放射性炭素年代測定(加速器質量分析(AMS))を実施した。それらの堆積物の放射性炭素年代測定(未補正)は,5290±30yBP~440±30yBPの年代を示すことが判明した。その結果,研究対象地域の表層地質の調査では,完新世後半の沖積低地の形成過程およびイベント堆積物の供給年代について把握できる見通しを得ることができた。
遺跡のGISデータベースの構築では,『三重県津市遺跡地図』をもとにGISデータベースを構築し,時代別の遺跡の立地環境について検討した。このGISデータベースの対象とする範囲は,主に伊勢湾沿岸部を中心とし,縄文時代から近世まで6時期を設定した。これによって,大局的な遺跡の立地変化を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,研究協力者の協力を得て,2回の調査を実施することができた。本年度の調査によって,安濃津周辺地域の堤間湿地の堆積環境およびその年代の概略を把握することができた。またこれらの堤間湿地の調査によって,津波,洪水,液状化等によって生じたイベント堆積物を複数の地点で検出することができ,地域の災害履歴を把握するための情報もを獲得することができた。おおむね,調査は研究計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

本年度は,研究対象地域の堆積環境の全体像を把握するために,ハンドオーガーによる地質調査を主として展開した。今後は,採取した地層の状態をより詳細に観察することができるハンディジオスライサーによる調査も実施し,沖積低地の古環境および津波,洪水等によって供給された堆積物の供給時期を特定していく。

次年度の研究費の使用計画

2013年10月から病気・療養が継続したため,高解像度デジタル標高データの購入と解析に関する部分の研究ができなかった。
2014年度は,採取した地層の状態をより詳細に観察することができるハンディジオスライサーによる調査を三重県津市で実施し,沖積低地の古環境および津波,洪水等によって供給された堆積物の供給時期を特定する。これらの調査を遂行するために,研究費は旅費,人件費,年代測定の委託費として使用する。さらに本年度は,2013年度の研究課題とされた高解像度のデジタル標高データの作成と解析のためにも研究費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 伊勢平野中部,安濃津周辺の古環境変遷とイベント堆積物

    • 著者名/発表者名
      小野映介・佐藤善輝・河角龍典
    • 学会等名
      新潟大学・前近代歴史地震史料研究会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟県、新潟市)

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公開日: 2015-05-28  

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