「土地開発史」の検討において、地形や植生などの自然環境の影響を加味した研究が必要である。本研究のブラマプトラ川流域は、「決定的な情報不足地域」で、土地開発過程の詳細を検討することは、極めて困難であった。そこで本研究では、改良した地理学的地形・地質研究手法で、地域特有の土地開発史の詳細を復原し、かつ日本との対比を試みた。 たとえば、ヒマラヤ高所地域における民族移動をともなう土地開発は、約2000年前以降に活発化し、低所のブラマプロラ河流域平野の自然堤防は約12000から11000年前頃に形成され、一方の西日本の平野では、13000年前頃までに自然堤防帯が形成されたことが明らかとなった。
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