本邦における氷下漁撈は、かつては諏訪湖、八郎潟で展開してきた氷下曳網漁やその他の漁法による寒冷地特有の生業形態であるが、現在はほぼ北海道に限定されて実施されている。中でも網走湖ではこの氷下曳網漁が動力化して毎年恒常的に実施されており、地域経済にも一定の地位と役割をしていることが確認できた。 他方で、ワカサギを主要漁獲目標とする網走湖の氷下漁撈の状況は、近年の温暖化傾向やそれに関連する可能性もある水産資源の資源状況や生態などとも関係して、資源、漁獲量とも厳しい状況にあることが判明した。調査期間の2014年から2017年にかけては、近年では最も漁獲量の少ない期間であり、今後の動向が注視される。
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