本研究は、インドの伝統音楽とその社会的世界の変化を定量的なアプローチによって把握することを目的としている。そのため、初年度はインド政府の音楽芸能の教育研究機関であるサンギート・ナータク・アカデミー(SNA)から出版された『インド音楽家名鑑 Who’s Who of Indian Musicians』(以後、『名鑑』)の初版(1968)と第2版(1984)所収の約3000人の諸属性についてデータベース・ソフトへの入力作業を完成させた。次年度は、データベース化された『名鑑』の表記統一・校閲・校正および重点項目のクロス集計による比較検討を行った。また、各研究メンバーがインド各地の諸機関において資料の発掘・収集と関係者へのインタビューを行なった。引き続き、最終年度である本年度は以下の活動を行った。 1)『名鑑』データベースに基づくインド音楽世界の動向に関する検討と、新たなデータの発掘・収集のための調査(研究代表のみ)の継続とデータベース化候補の選定 2)『Fellows and Award-winners of Sangeet Natak Akademi 1952-2010』(2011 年にSNAより出版。以後『受賞者名鑑』)のデータベース・ソフト(エクセル)への入力基礎作業 3)3回の研究会の開催、および研究結果についてのまとめと学会発表 本年度は最終年度であることから、研究成果をまとめ、東洋音楽学会・第66回大会においてパネルディスカッションを企画し、研究メンバー全員が発表を行い、参加者とのディスカッションを行った。
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