研究課題/領域番号 |
25370942
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川村 邦光 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30214696)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 弔い / 遺影 / 慰霊 / 供養碑 / 追悼式 / 民俗芸能 / 葬儀 / 歴史民俗学 |
研究実績の概要 |
弔いにおける物とイベントとパフォーマンスによる死者の表象と言説に関して、歴史民俗学的な研究を通じて明らかにすることが、大きな研究目的である。第1に、死者の表象となる遺影、死者を記念する物、すなわち碑や像、建物を調査し、その歴史的な変遷を明らかにする。第2に、死者を記念して催される集会や行事といったイベント、民俗芸能での歌舞などのパフォーマンス、また死者を追悼するために記された記録や作品における言説を比較し、歴史的な変遷を考察する。 今年度は2回の研究会を行ない、昨年度と合わせて、5回になる。以下、研究発表者、および題名をあげる。第4回研究会(2014年8月2日:南山大学宗教文化研究所:名古屋)宋秀環(龍華科技大学・台湾)「植民地下における協力者の創出パターン」、番匠健一(立命館大学大学院)「山田洋次作品における戦後北海道」、竹原明理(大阪大学大学院)「祭礼における生人形の展開」、猪岡叶英(大阪大学大学院)「「養老式」と風俗改良運動にみる近代沖縄の長寿者像」、林葉子(大阪大学大学院)「PUNCHと『團團珍聞』にみる女性像の比較」、村山絵美(南山大学宗教文化研究所)「キリスト教と日本」。第5回研究会(10月17日:大阪大学)北村毅(早稲田大学琉球・沖縄研究所)「「戦友」とは誰か:ある沖縄戦帰還兵と家族の戦後」。 研究成果としては、『弔いの形をめぐる歴史民俗学的研究 2014年度科研中間報告書』(2015年3月)を刊行した。川村邦光「ジョバンニと弔いのイニシエーション」、姜超「在日福清華僑の普度勝会に関する一考察」、三浦詩織「現在を問うハナシ」を掲載した。また、川村が日本史研究会・市民講演会(2014年11月24日:機関紙会館:京都)で「天皇写真と戦死者の遺影」の代で講演した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は先に記したように、研究成果として『弔いの形をめぐる歴史民俗学的研究 2014年度科研中間報告書』(2015年3月)を刊行し、研究計画を進展させることができた。研究代表者の川村は論文「ジョバンニと弔いのイニシエーション」を執筆し、おおむね今年度の研究目的を達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現段階では、日本での弔いの民俗宗教史的研究を推し進めながら、韓国・中国・台湾でも、その一端を比較研究しているところである。最終年度には、日本を中心にして、韓国・中国・台湾の事例を組み込みながら、弔いの形の歴史的な変遷に関して報告書をまとめて、書籍として刊行することを目指していく。
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