| 研究課題/領域番号 |
25370946
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| 研究機関 | 大阪市立大学 |
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研究代表者 |
多和田 裕司 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (00253625)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | マレーシア / イスラーム / 文化人類学 / 商品化 / 消費社会 |
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| 研究実績の概要 |
平成26年度は、前年度に引き続き､イスラームの商品化や消費社会におけるイスラームにかんする先行研究の整理をおこなうとともに、具体的な研究対象としてはマレーシアにおけるムスリムのファッションに焦点をあて、フィールドワークによる資料収集を実施し、イスラームと経済活動との相関について検討した。
ムスリムのファッションのなかでもとくに今回注目したムスリム女性が被るベールは、イスラーム教義がムスリム女性に求める敬虔さ（女性は頭髪や肌を隠さなければならない）と、消費社会がムスリム女性に提供する現代的なファッション性という、一見すると相反する要素の接点に位置するものであり、その点で、消費社会におけるイスラームの商品化が集約されたもののひとつとして考えられる。
現地での調査としては、マレーシア・クアラルンプール市、スランゴール州アンパン市において文化人類学的なフィールドワークをおこなうとともに、マレーシア国立図書館およびマラヤ大学図書館において、関連する文献資料を収集した。シンガポールにおいては、マレーシアとの比較のための資料収集として、市内のモスクで聞き取り調査をおこなうとともに、国立図書館で関連資料を収集した。なおマレーシアでの現地調査については、夏季の調査で不足した点を補うために所属研究機関から交付された研究費を援用しつつ冬季にも追加的な調査を実施した。
本年度の成果として、マレーシアのムスリム女性のファッションについてイスラームと消費社会という観点から研究論文を取りまとめた。また本研究であきらかになりつつある事柄を含めて、マレーシア・イスラームの全般的状況について、自治体職員にたいする研修会で講演した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は３カ年計画の研究の中間年度であり、前年度に考察したイスラームと経済の相関を、さらに別の事例に即して調査、分析することで、本研究における考察をより一般的なものへと展開していくための手がかりを得ることが課題であった。研究の遂行という点では、海外（マレーシア、シンガポール）での資料収集について当初予定していた夏季の調査だけでは不十分であると判断したため、冬季に追加的な調査（マレーシア）をおこない、年度計画をおおむね達成することができた。研究成果という点では、イスラーム女性のファッションという具体的な事象を対象にイスラームと経済の相関についての分析をすすめ、研究論文として発表することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成27年度も当初の計画通り研究を進める予定である。具体的には年度を大きく３期にわけた上で、以下の方策にしたがい研究を実施する。
第１期は４月から７月までの期間であり、前二カ年の調査によって入手した資料を精査するとともに、海外調査に向けての準備作業をおこなう。
第２期は８月から９月までの期間であり、この期間に海外での資料収集ならびに実態調査を実施する。具体的には、マレーシア調査（クアラルンプール市および周辺地域、クランタン州など）に１ヶ月程度をあてる。なお前二カ年の調査結果から、今年度はマレーシア調査のみを集中的に実施することとし、当初予定していたタイあるいはシンガポールでの比較のための調査はおこなわない。なお夏季調査での資料収集が不足した場合については、冬季に短期の補足調査をおこなう。
第３期は海外での資料収集終了後年度末までの時期であり、海外調査によって入手した資料の分析と前二カ年で得た成果をもとにしながら、本研究課題の総括として研究論文を作成する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
旅費およびその他費用で端数が生じたため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度予算に繰り越して使用する。
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