本研究の主要な成果は以下の点を明らかにしたことにある。(1)「ポスト生殖革命時代」の今日、卵子提供や代理出産等の先端的な不妊治療はメディカルツーリズムの一種として実施されている。(2)先端的不妊治療によってうまれた子は「多元的親子関係」を持つことがあり、その場合、関与する家族は「相互浸透的家族」となる。(3)米国のLGBTカップルは「共同養育」(co-parenting)という新たな子作り/子育てを試みており、そこに関与する者は「拡大家族」(extended family)を形成する。(4)日本のLGBTカップルも、意図や自覚はしていないものの、すでに「共同養育」を実践しつつある。
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