研究課題/領域番号 |
25370957
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研究機関 | 園田学園女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
浜口 尚 園田学園女子大学短期大学部, 生活文化学科, 教授 (30280093)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 捕鯨文化 / 先住民生存捕鯨 / 国際捕鯨委員会 / ベクウェイ島 |
研究実績の概要 |
平成26年度においては、平成25年度に実施したセント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国ベクウェイ島における現地調査に基づいて学術論文1点を発表、学会等発表を2回行い、研究成果を広く社会に還元した。 平成26年度に予定していたセント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国ベクウェイ島Paget Farm地区における現地調査については、平成25年度に繰り上げ実施したため、本年度は平成26年9月9日~21日、スロヴェニアにおいて開催された第65回国際捕鯨委員会年次会議の先住民生存捕鯨小委員会、違反小委員会、保全委員会、総会ほかに参加し、先住民生存捕鯨を中心に捕鯨関連最新情報の収集に努めた。本年次会議参加によって得られた成果は次のとおりである。 1.2014年漁期(2014年2月~5月)、ベクウェイ島においてはザトウクジラの捕殺はなかった。捕殺がなかったのは2004年以来のことである。その理由としては、反捕鯨NGOによる捕鯨のホエール・ウォッチングへの転換運動の影響が考えられる。 2.第64回国際捕鯨委員会年次会議(2012年、パナマ)において、捕殺枠の更新が否決されたデンマーク王国グリーンランドの先住民生存捕鯨については、今回は捕殺枠が承認された。今回承認された理由は、ヨーロッパ連合構成国のデンマーク王国が他のヨーロッパ連合構成国24か国を事前に説得し、これら24か国が賛成に回ったからであった。なお、本案件と表裏をなす形で、デンマーク王国を含むヨーロッパ連合構成国25か国が共同提案した先住民生存捕鯨全般の管理強化をめざす決議案も採択された。このことにより、反捕鯨を共通理念とするヨーロッパ連合の立場は維持されたのである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベクウェイ島における現地調査はほぼ当初計画どおりに進展している。また、国際捕鯨委員会に出席し、先住民生存捕鯨関連の最新情報を入手できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度中にベクウェイ島において捕鯨の現況とホエール・ウォッチングが開始されたか否かについての現地調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に予定していた海外調査を平成25年度の海外調査にあわせて実施し、平成26年度は国際会議に参加した。そのため、旅程が変更となり、旅費支出額に差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の旅費に充当する。
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