当事者によって主導される(べき)ものと認識されてきた近代法の民事訴訟手続は、実際には中近世ヨーロッパ以来の一定程度に積極的な裁判官の職権による介入を当初から内包し、裁判官が口頭審理において適切に介入することで、真実に基づく裁判を実現してゆくという理解が存在していた。 本研究はこのテーゼを、中近世ヨーロッパ法学における蓄積を前提とした近代ドイツの民事訴訟、そしてそれを継受した明治民事訴訟法(1890年)施行下の状況と、そのもとで生じた問題に対処した大正民事訴訟法改正(1926年)について検討したものである。
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