研究課題
基盤研究(C)
本件研究では,19世紀のイングランド・ロンドンにおける治安判事の下僚である書記の役割を明らかにするために,関係する史料の調査,分析,検討を行った。イングランドでは,非法律専門家である治安判事と法律専門家である書記の組み合わせによる裁判と,書記の裁判への積極的な関与が中世から現代に至るまでの各地方の刑事裁判における特徴の一つであるが,治安判事が法律専門家により任命される場合には,これとは異なり書記は裁判に積極的に関与せず,書記の役割が文書の作成と管理に限られることを明らかにした。
西洋法制史