研究課題/領域番号 |
25380025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 琢麿 千葉大学, 大学院専門法務研究科, 教授 (40234364)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 公共施設 / 港湾 / 管理者 / 維持管理 |
研究概要 |
公共施設に関する基礎概念と基礎理論について,日本法とフランス法を比較しながら,主として港湾・空港・道路・河川を素材にして考察を行った。その具体的な成果は,以下のとおりである。①公共施設の維持管理について,維持管理義務の法的性質,その担保手段としての損害賠償責任の意義,平成24年12月に発生した笹子トンネル事故を受けた法改正の意義などについて考察を行った。また,設置と維持管理の区分を相対化させる必要性を説くとともに,維持管理主体のあり方などについて私見を提示した。②公共施設の管理者概念について,近時のフランスにおける議論動向をもとにして,公共施設の管理と運営の区分をすることの重要性を示したうえで,管理・運営のあり方や協議会制度の意義をはじめとした,現行法の解釈論・立法論に関する試論を提示した。③港湾管理者に関する考察の一環として,港務局制度の意義を明らかにした。すなわち,港務局の概念をポートオーソリティの概念と混同することの問題点を示すとともに,平成23年の港湾法改正によって導入された港湾運営会社制度との関係から,港務局制度を活用することの当否などについて検討を行った。④港湾法の個別的論点に関する研究として,基本方針や港湾計画の意義,基本方針等との整合性という視点からみた国家賠償訴訟に関する諸問題,国と港湾管理者の協議に関する争訟の可能性などについて,現行法の解釈論を示し,今後の立法論を展開するための基礎を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公共施設に関する基礎的な考察を行い,一部の成果について論文等を公表している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までに行った,公共施設の基本概念などに関する考察をもとにして,公共施設に関する理論的問題および実務的課題について,さらなる考察を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の研究計画を一部変更し,平成25年度は日本法の分析に重点をおいた研究を行い,フランスへの出張等を行わなかったため。 平成26年度はフランス法に関する基本文献を多く購入する予定であり,次年度使用額の大部分はこの関係の物品費に充てる計画である。
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