研究実績の概要 |
最終年度は、「刑事手続──憲法学的検討の序として」大沢秀介退職記念(山本龍彦=大林啓吾編)『違憲審査基準─アメリカ憲法と判例の現在』227-252頁(弘文堂、2018年4月30日)を公表した。本研究は、日本の憲法学が司法審査基準論研究として手薄であった、刑事手続上の権利の司法審査基準をめぐる議論の端緒として、アメリカの連邦最高裁判例を分析したものであり、本研究の今後の補充の重要な基軸となるものである。このほか、「法廷における写真撮影と報道の自由───北海タイムス事件」長谷部恭男=山口いつ子=宍戸常寿編『メディア判例百選』〔第2版〕6-7頁(有斐閣、2018年12月20日)は、掲載物の性格上、本基金に基づく研究との記載ができなかったが、本基金に基づく研究である。 また、君塚正臣編『大学生のための憲法』71-94頁「包括的基本権および生命・身体的自由」(法律文化社、2018年4月5日)も公表したほか、別基金による業績も多数ある(「裁判官の独立──『司法権・憲法訴訟論』補遺(2)」横浜国際社会科学研究23巻1号19-57頁(2018年8月20日)など)。これらは、前年度に公表した『司法権・憲法訴訟論 上巻』i-xiv,1-611頁(法律文化社、2018年1月31日)及び『司法権・憲法訴訟論 下巻』i-vi,1-762頁(法律文化社、2018年1月31日)を補完する性格も有しており、本基金の成果として示せるものであるが、別基金の報告との重複を避け、ここで研究実績として取り上げることは差し控える。
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