研究課題/領域番号 |
25380029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
君塚 正臣 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80266379)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 司法審査 / 二重の基準論 / 司法権 / 憲法判断 / 事件争訟性 / 適用違憲 / 合憲性判断テスト / 先例拘束力 |
研究成果の概要 |
大きな意味での憲法訴訟論として議論されてきた、司法権論と憲法訴訟論を有機的なものとして分析し、事案の法的解決を使命とする日本国憲法下の司法の憲法判断枠組みは付随的違憲審査制であり、そうであるならば、事件解決と無関係な憲法判断をすべきでないこと、違憲判断としても適用違憲が原則であることを訴える一方、立憲民主主義憲法の下の裁判所が、精神的自由や参政権の侵害、生来の偶然に伴う差別に関する事案では、民主的立法・行政に対しても積極的な憲法判断を求めて厳格審査基準の適用や文面審査への踏込みを求め、経済的自由・社会権侵害事例での合理性の基準適用と異ならせ、文字通りの二重の基準論の貫徹を提言する
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自由記述の分野 |
公法学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の最高裁判所の違憲判断は極めて少ないと批判され、これに対抗して、例えば、安保防衛問題に対する裁判所の積極的憲法判断すら求めるような無秩序な司法積極主義の主張もある。だが、法的判断が理論的でなければならず、違憲とされるべき事件・当事者の下でのみ確実に違憲判断が下ることを導くべきである。最高裁も徐々に違憲判断に踏み込むことが増えつつあるが、民主的な多数決を盾に少数者の人権が蔑ろにされがちな今日こそ、精神的自由や参政権の侵害事例では積極的かつ説得的に憲法判断へ踏み込むべきである。本研究成果は、法曹実務に適切な憲法理論を提供し、立憲民主主義憲法下の司法権の違憲審査制の役割を支える意義がある。
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