研究課題
基盤研究(C)
本研究は,国民の労役提供義務を正当化する内外の憲法理論・法理を整理・分析することを通して,憲法18条後段(「意に反する苦役」禁止)の規範内容を明らかにした。すなわち,(1)同条後段に関して最高裁判例はいまだ明確な規範内容を定立できていない。(2)同条後段に関する広義説は,国民の労役提供義務の法定が同条後段に反する否かの評価を不確定にする点で失当であり,刑罰に準じた苦痛を伴う労役提供を義務付けることのみが同条後段に反すると解する狭義説が妥当であることを明確にした。
公法学