本研究は領域融合(inter-disciplinary)型行政法理論の創成を目指し,(1)行政法の法理を他の法領域との間で共通化し,普遍的な議論枠組みを構築すること,(2)ガバナンス論やリスク論と行政法理論の接合を試みること,(3)日本の司法過程に対する法社会学の「経験的アプローチ」と行政法理論の接合を目指した。成果として,(1)行政法理論を法律学全体で汎用性のある形に組み換える作業をほぼ完成させ,(2)行政法学に「行政規律法」や「規制手法論」の枠組みを設定することで,政策学などとの共通言語化を図り,(3)最高裁の経験的調査をふまえて,法社会学と対話の成果を得た。
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