いわゆる定義付け衡量のアプローチが日本の裁判所においても立法過程においても十分に機能しておらず,有害言論に関わる現代的諸問題に対応できていないという問題関心の下,本研究を行った。本研究においては,定義付け衡量の内部構造を体系的に理論化した Frederick Schauer の理論枠組みを参照しつつ,その他のアメリカの学説と Roberts Court 下の定義付け衡量に関わる判例を詳細に分析,検討した。定義付け衡量に関する論点を明確化した後, Roberts Court以前の主要な最高裁判例を分析した。
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