研究課題/領域番号 |
25380044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
渡邊 賢 大阪市立大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50201231)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 憲法 |
研究概要 |
平成25年度においては、平成25年8月11日から同年8月21日までの間、研究代表者の大阪市立大学法学研究科教授の渡邊賢と連携研究者である大島佳代子同志社大学政策学部教授がアメリカ合衆国ニューヨークに所在するコロンビア大学に赴き、ニューヨーク市・ニューヨーク州を含めた合衆国全体における公務員制度を取り巻く現状と公務員制度の下で展開されている団体交渉制度の改革に関する動向の概略につき、資料収集等の調査を行った。その結果、現在財政状況の悪化の原因として公務員の給与と年金制度が挙げられており、労使交渉によってこれらが決定されることがその原因の根幹にあると一般的には認識されている(もっとのそのような認識が誤っていることを実証的に論証する論考も多い)現時点において公務員の労使関係における交渉行きづまりを解消するための制度として拘束力のある仲裁制度を設けている州が現時点でなお12州あること、その中ではニュージャージー州が近年比較的大きな制度改正を行ったことを知ることができた。加えて、公務員の労使関係の設定が委任禁止原則との抵触という観点から問題となることにつき、合衆国において必ずしも十分な理論的検討が行われていないことも判明した。公務員の労使関係制度と委任禁止原則との関係についてはすでに、合衆国の公務員労使関係制度を分析した菅野和夫教授による古典的な論文においても、その特殊アメリカ的な背景とともに、言及されてたところであるが、今回の調査を通して、改めて検討しなおす必要があるとの確信を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに提出した計画書においては、平成25年度の研究計画・方法として、主としてアメリカ合衆国の公務員制度と教員の労使関係法について調査することを予定していたところ、平成25年度においては、実際にコロンビア大学に赴き、合衆国の近年の労使関係の動向を調査することができたことから、平成25年度の研究は、想定していた研究計画・方法に照らして、おおむね順調に進展させることができたと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、ドイツとフランスの公務員制度について現地調査とそれに基づく研究を行う。具体的には、ドイツ・フランスに赴き、それぞれの国における公務委員制度の下での団体交渉の制度と実態を調査する。
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