研究課題/領域番号 |
25380053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
上田 健介 近畿大学, 法務研究科, 教授 (60341046)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 政府統制 / 平議員 / 野党 / イギリス憲法 |
研究概要 |
帰納的研究については、イギリスの議会に関する権限、組織、諸手続の現状について、概要の整理を行い、ある書籍の1章として既に原稿化し提出している。共著のため、公刊が遅れているが、近日中に公刊されるはずである。 また、ケーススタディとして、2013年司法・安全法(Justice and Security Act 2013)の立法過程を詳細に検討して論文として公表することができた。この研究は、直接にはその内容に照らして、別の共同研究の成果のかたちをとっているが、伏在するもうひとつのテーマとして、本研究の調査対象であるイギリスの立法過程の解明があり、ひとつのサンプルにすぎないが、類似する研究は従来ないので、貴重な成果であると自負している。なお、いみじくも、日本においても、類似の国家安全保障と情報に関係する「特定秘密保護法」が2013年12月に成立した。その立法過程は報道等で知られているところであるが、上記論文中でも比較を行い、またある雑誌の論考の中でも、簡単に言及することができている。 さらに、日本の立法過程、責任追及過程に関しては、2014年5月の全国規模の研究会で後者についての報告を依頼されたため、その準備に着手している。また、聞き取り調査についても、予定どおり予備的調査を2名について行い、そのうえで、別に現場の見学と1名の聞き取りを行うことができた。 演繹的研究については、レイプハルトの新版を読み、若干の分析を行うことができた。こちらも、さらに分析を深めてゆきたい。なお、その分析の断片については、近日中に原稿化する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予算の執行が進んでいないが、これは、年度末に予定していたイギリス調査が諸般の事情により延期したためである。しかし、5月に渡英を計画しており、これによって、おおむね平成25年度中に行おうとしていた研究は実施できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
幸い、各種の原稿執筆や研究会報告で依頼されるテーマが、本計画での課題に合致していることが多い。それゆえ、これらの発表、報告を通じて、スピンオフ的に本計画の推進を図っていくことができると考えている。 なお、日本の立法過程及び責任追及過程の実際についての聞き取り調査は、現在の野党については進めていく見通しが立ちつつあるが、現在の与党については、まだメドが経っていない。平成26年度に、引き続きアプローチを行っていくつもりであるが、これが難しい場合には、現在の野党について、かつての与党時代の状況も含めて、これに絞り研究を行うことも考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
3月に予定していたイギリス調査が諸般の事情により延期されたことと、3月末に実施した東京での調査の支出を翌年度に回したため。 イギリス調査を5月に予定しており、そこで残額を使用する予定である。
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