本研究は、そもそも、イギリスの制度の現実が、①立法や、とくに政府統制の場面において与党平議員が一定程度、政府を監視する役割を果たしていること、②1998年人権法の施行以降、裁判所による政府の統制も強くなっていることを明らかにして、レイプハルトの「ウエストミンスターモデル」で単純に捉えられるものではないことを指摘した。そのうえで、立法過程において、立法前手続も含め、議論の透明性を高める工夫がなされていること、また事後的な政府統制において、特別委員会制度が発達し、与党平議員も野党と協調して政府の説明責任を果たさせる機能をよく果たしていることは、日本でも参考にすべきとの主張を行った。
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