本研究は、国際社会の変容、特に冷戦解消後における人権や民主主義の普遍化に伴う、国際社会の共同体化を踏まえて、国際社会の公権力の形成と規制という視点から、従来の国際的な法制度や組織を見直すことを試みた。 具体的には、近年注目されつつある国際社会における公的利益、公的権力など、「公」の概念に着目し、国際社会における「公」の概念の予備的基礎的な分析・考察を行うとともに、国際組織による公的利益を保護促進する活動を対象として、特に権力行使、公的権力としての規制のあり方という視点から検討を行い、手続的および実体的な原則の明確化に向けた動きを分析した。
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