経済法の自国領域内での適用(属地主義)は国際法の原則であるが、例外として許容される域外適用を米国は積極的に行ってきた。近年になって米国裁判所では域外適用に抑制的な傾向もみられるが、金融制裁や賄賂防止の分野に限ればむしろ積極化している。本研究はこの動きを一貫して研究し、理論的課題に加えて、仮想通貨や国際金融システム、ブロックチェーンといった外的環境変化との関連を探った。米ドル覇権体制を前提とした過度な域外適用に対しては国際法独自の対策が困難な状況を明らかにした点、国際金融システムの相互依存性に着目し、仮想通貨等の新たな動きの進展により、域外適用を抑止できる可能性を示した点に貢献があると考える。
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