労働関係をめぐる問題が複雑化するなかで、当事者間の自主的な問題解決や裁判所による公権的な紛争解決だけでは十分な対応ができないことが諸外国でも共通の認識となっており、これを克服するために、専門性を有する行政委員会等による柔軟で迅速な紛争解決が効果的なことが政策の方向性として明らかになったことである。日本の「働き方改革」でも裁判による紛争解決(司法救済)のみならず行政ADR(行政による紛争解決援助)の重要性が示されている。今後は、本研究を基盤として、専門性を生かした行政委員会等による紛争解決の具体的な内容と方向性を明らかにしていくことが政策的課題となる。
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