研究課題/領域番号 |
25380072
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
名古 道功 金沢大学, 法学系, 教授 (80172568)
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研究分担者 |
長谷河 亜希子 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00431429)
豊川 義明 関西学院大学, 法務研究科, 名誉教授 (40388731) [辞退]
佐藤 飛鳥 東北工業大学, ライフデザイン学部, 准教授 (90513060)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 集団的労使関係 / 労働組合 / 使用者 / コミュニティ・ユニオン / 産業別組合 / 労働協約 / 憲法28条 |
研究実績の概要 |
1.専門研究者(山崎憲氏とチャールズ・ウエザール氏)との共同研究会の開催 アメリカの労働組合は、労働者のみならず、コミュニティや住民・保護者などとの連携を重視し、緩やかな連帯強化とのスタイルを追求している。AFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産業別組合会議)は、中間支援組織と実行組織、そして地方組織が密接に連携し、調査・研究や人材育成を組織戦略としてる。両報告から、企業内の活動にととまらずコミュニテイでの連携の強化との活動スタイルは、労働組合の再生のための一つのあり方を示している点が明らかになった。 2.ドイツ・アメリカ調査 ドイツ調査では、ストを活発に実施して注目されている専門職組合(機関士労働組合・コックピット労働組合)及び研究者のインタービューを行った。明らかになったのは、①ストの要因、②競合するDGBの組合との関係、③民営化が背景にある、④専門職であるがゆえにストの効果は大きい点である。他方、専門職組合対策として労働協約統一法が制定され、違憲訴訟が提起された。アメリカ調査でインタービューした全米通信労組は、三角形の理念(組織化、コミュニティ政策活動、利益代表)を重視して労働者や家族らの権利を擁護する点が特徴的である。 3.総括研究 特に以下の点を検討した。①企業の枠を超えて活動する組合とその労使関係の実情及び提起される法的課題を明らかにするとともに、従来の労働団体法理の見直しを図る。②フランチャイズ契約下での就労者とその団体の法的問題を解明するほか、労働団体法理への包摂可能性を検討する。③アメリカの労働組織のネットワーク化などの調査を踏まえて、労働者の関心を集める労働組合の新たな活動領域の拡大のための法制度上の具体的課題を明らかにする。④以上を踏まえて、広義の労働団体法理を構想し、労働組合法改正の課題とともに憲法28条の新たな意義を提起する。
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