研究課題/領域番号 |
25380078
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
森 克己 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (60343373)
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研究分担者 |
中本 浩揮 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (10423732)
山田 理恵 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (60315447)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 英国 / イギリス / チャイルド・プロテクション / スポーツ団体 / ガイドライン / CPSU / ユニセフ / 国際標準化 |
研究実績の概要 |
今年度は2014年9月12日から約10日間の日程で英国での現地調査を実施した。英国滞在中に18歳未満の子どもをスポーツ指導者からの虐待から保護するチャイルド・プロテクション(以下CPと略)の研究者、コーチングの専門機関Sports Coach UKのCP担当者等に面接調査を実施した。この調査及びその後の文献等の調査により、次のことがわかった。 1.CPの専門機関であるCPSU(Child Protection in Sport Unit)が2001年にNSPCC(全国子ども虐待防止協会)内に設立されて以来、英国ではCP制度がコーチングの在り方と連携して構築されている。例えば、スポーツクラブで子どもに指導するコーチは、3年ごとにCPの研修会(workshop)に参加しなければならないが、その研修会は、Sports Coach UKと各スポーツ団体が開催している。また、そのテキストは、NSPCC、CPSU、Sports Coach UKが共同で作成しており、研修内容にコーチングの方法が含まれている。 2.ヨーロッパ評議会が2007年に策定したランサローテ条約は2010年に発効し、スポーツにおいて子どもと定期的に接触する人による虐待からの保護が含まれている。また、国連平和と開発のためのスポーツ事務所(UNOSDP)は、CPを政策的優先事項とした(Melanie Lang and Mike Hartill 2014)。このほか、ユニセフとCPSUが共同でCPの国際標準化に向けたガイドラインを2012年に策定し、世界の50のスポーツ団体で試行された結果に基づき2014年に新ガイドラインが策定された。これらの国際標準化の試みは緒についたばかりであり、今後アンチ・ドーピングのように、国際的なCPの実施状況の監視機関や国際条約化にまで結実化するかについては今後の動向を注視する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、2014年9月に実施した英国での現地調査において、スポーツにおけるCPの研究者、コーチングの専門機関であるSports Coach UKのCP担当者、スポーツ法学の研究者に面接調査することができ、EUにおけるCP制度の標準化、CPSUとユニセフが連携してCPの国際標準化が進められていること等、新たな発見があった。 また、前年度実施した都道府県教育委員会、JOC傘下のスポーツ団体へのアンケートの集権・分析も行うことができ、最終年度の前にこれまでの研究のまとめに向けた成果が得られたと考える。 さらに、日本体育学会、日本スポーツ法学会での研究発表、著書(共著)の刊行や論文の発表等、研究成果の発表も概ね予定どおり実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本研究の今年度までの2年間の研究成果に基づき、次年度を含めた3年間の研究成果の集大成となる国際シンポジウムを開催し、研究成果を社会に発信・還元することが最も重要な課題となる。 そのため、これまでの研究で得られた情報を整理し、我が国のスポーツ界で近年最大の懸案事項となっている、スポーツ指導における子どもへの虐待を防止し、スポーツ指導のあり方と連携した制度を構築するために具体的にどのようなことが今後の検討課題として挙げられるかを明確にすることが求められる。 CPの先進国である英国のCP制度を参考にして、我が国独自のCP制度を構築するために具体的かつ実行可能な制度構築に向けて研究成果をとりまとめ、国際シンポジウムの成功に繋げたいと考える。また、次年度のシンポジウムにおいては、今年度の研究で明らかとなった、CPの国際標準化の問題も取り上げて英国の研究者を招へいして実のあるシンポジウムにしたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に当該研究に必要な書籍や消耗品の購入を申請したが、年度内に注文した書籍・消耗品等が届かなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度内に注文して届かなかった書籍・消耗品等の代金として使用する予定である。
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