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2013 年度 実施状況報告書

刑事訴訟における当事者処分権主義の意義とその立法化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380091
研究種目

基盤研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

田口 守一  早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80097592)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード刑事訴訟法 / 司法取引 / 有罪答弁 / アメリカ法 / ニュー・ヨーク州 / 合意手続き / ドイツ法 / イタリア法
研究概要

1 外国の司法取引制度の調査研究として、アメリカ合衆国について、これまでの制度研究では、専ら「連邦法」が中心であったことから、平成25年度調査では、より日常的な刑事手続における司法取引制度を研究するために、主にニューヨーク州の調査を行った。平成25年9月4日および5日の2日間にわたって、ニューヨーク郡地方検察庁公判副部長ニティン・サブーア検事(Nitin Savur, Deputy Chief of Trial Divisin, New York County District Atorney’s Office)に対するインタビュー調査を実施した。
2 ニューヨーク郡という一地方の刑事手続とはいえ、毎年9万件~10万件の犯罪が処理されており(重罪12000件、軽罪77000件)―要するにニューヨーク郡だけで日本全国の1年分の事件が処理されている―、検事も総勢530人という大きな組織であった。したがって、一地方の刑事手続とはいえ、質的にも量的にも、アメリカ法研究にとって重要な研究対象であった。
3 サブーア検事からは、ニューヨーク郡の司法取引が重要な点で連邦法と異なること、実体法が数段階に細分されていることから縮減訴因の提示が可能となっていることなどの重要な指摘があった。
4 ドイツ法については、2009年から施行された合意手続の合憲性に関する連邦憲法裁判所の2013年3月19日判決を紹介検討した論文を翻訳するとともに(ヘニング・ローゼナウ/田口守一訳「ドイツにおける答弁取引(いわゆる申合せ)と憲法」比較法学47巻3号(2014年3月)139頁以下)、合意手続の実態調査のための準備として、2009年以降の実態を調査したKarsten Altenhain u.a., Die Praxis der Absprachen in Strafverfahren, 2013による実態調査報告書の研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度研究の主目的であるアメリカ法の調査研究は順調に実施することができ、その収穫も非常に大きなものであったが、他方で、ドイツ法の調査については、論文の翻訳および実体調査報告書の分析に着手したのみで、ドイツ出張まで企画することが、時間的にも予算的にも無理であった。しかし、ドイツでの実地調査の前に、ドイツ人による実態調査報告書を押さえておくことは必須であることから、この遅れはやむを得ないことと考えている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、アメリカ調査から持ち帰った資料の解析を進めて論文化して公表すること、および、ドイツ法についての合意手続き実態調査報告書の研究を終了することを最低限の研究課題としたい。その上で、時間的および予算的な余裕があれば、ドイツ実務の実態調査を企画したい。

次年度の研究費の使用計画

本研究は3か年計画のところ、初年度である平成25年度において、当初の計画予算であった800,000円に不足が生じたので、前倒し支払い分として400,000円を使用したので、平成25年度使用額が1,200,000円となった。なお、概算で前倒し請求した400,000円のうち155円が誤差として余ったので、次年度に繰り越して使用する予定である。
本研究は3か年計画であるので、平成26年度には、ドイツ調査を企画しており、その調査研究費を中核として直接経費800,000円及び間接経費240,000円の合計1,040,000円を使用する計画である。
直接経費800,000円の明細としては、消耗品200,155円、国内旅費100,000円、外国旅費400,000円、人件費・謝金100,000円の計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ドイツにおける答弁取引(いわゆる申合せ)と憲法2014

    • 著者名/発表者名
      ヘニング・ローゼナウ/田口守一訳
    • 雑誌名

      比較法学

      巻: 47巻3号 ページ: 139頁~163頁

  • [雑誌論文] 刑事訴訟における当事者主義の課題2014

    • 著者名/発表者名
      田口守一
    • 雑誌名

      早稲田法学

      巻: 89巻4号 ページ: 未定

  • [図書] 刑事法学点描2014

    • 著者名/発表者名
      田口守一
    • 総ページ数
      189
    • 出版者
      成文堂

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公開日: 2015-05-28  

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