本研究は、株主の地位をオプションと捉えることができるという、ファイナンス理論の知見を基礎として、会社法制において株主のオプション利益をどの程度保護することが望ましいかを考察することを目的としている。とりわけ、平成17年の会社法制定を契機にその実行が容易になった、多数決によって株式全部を金銭を対価として取得する取引(キャッシュ・アウト。株主のオプション的権利の剥奪と捉えることができる)について、株主の利益をどこまで保護すべきかという問題を検討し、その成果を、複数の雑誌論文および図書(2016年中に刊行予定のものを含む)の形で刊行した。
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