研究課題/領域番号 |
25380101
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
尾島 茂樹 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50194551)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | クレジット・カード |
研究実績の概要 |
本研究課題は、平成25年度から平成28年度までの4年間の計画でクレジット・カードによる決済について検討を加えるものであり、本年度が最終年度である。しかし、研究計画期間中である平成26年9月に、経済産業省において、産業構造審議会商務流通情報分科会に割賦販売小委員会を設置し、クレジット・カードに関する問題点を検討することとなった関係で、そこでの議論や新たな立法の内容を研究対象に含める必要が生じた。この関係で、本研究課題は、平成29年度まで延長することとした。 上記割賦販売小委員会の議論の検討と並行して、従来からある問題点の検討と、その解決の方向については、検討を進めた。この中で、近時、重要な課題とされていた加盟店による不正問題について論文にまとめた。これによる結論としては、①加盟店の不正に対しては、イシュアーによるチャージバックが大きな防止機能を有すること、②わが国では、他の国と比べ、クレジット・カードのチャージバックが機能していないこと、③わが国独自のチャージバックを国際的な内容としなければ、国際的な加盟店不正のターゲットとなってしまうこと、を指摘した。この論文は、すでに校正が終了しているが、発刊には至っていない。 経済産業省では、平成29年2月から、割賦販売小委員会を再開し、新たな問題点を検討している。この内容についても継続的に検討しているが、本研究課題の最終的な報告は、この内容を踏まえた検討結果とすることとする。 なお、上記論文は「クレジット・カードのチャージバックに関する覚書」『加藤雅信先生古稀記念論文集』として印刷中であるが、雑誌に掲載する予定のものではなく、書籍の一部として公表を予定しているものなので、科研費電子申請システムでは、様式上「研究発表」のシステムにのらないので、ここに記載しておく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は、平成25年度から平成28年度までの4年間の計画であったが、研究計画期間中の平成6年9月に、経済産業省において、本研究課題の中心課題に関わる委員会(産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会)が開かれ、関連する立法について議論されることとなった。割賦販売小委員会は、平成26年12月に「中間的な論点整理」、平成27年7月と平成28年6月に「報告書」を公表した。本研究課題の検討においては、この委員会の議論の内容を踏まえることが不可欠となった。また、平成29年2月には、新たな課題を議論するため、割賦販売小委員会が再開された。本研究は、この議論の内容を踏まえてすすめるため、研究期間の1年間の延長を申請し、認められた。
|
今後の研究の推進方策 |
従来実施してきた検討に加え、現在、実施されている産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会における議論を踏まえ、検討を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題の中心課題について、平成29年2月に経済産業省の委員会において議論が開始され、研究課題の検討をまとめるためには、委員会の議論を踏まえて検討を進める必要が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
従来の研究費の使途の主なものであった、図書費、及び資料収集旅費に使用する予定である。
|