再生型倒産処理の成功には、債務者の事業継続に不可欠な信用供与型取引が、倒産手続開始前後で維持されていることが、鍵となる。 当初、アメリカ合衆国連邦倒産法547条(c)(2)を本研究のモデルにしようと考えたが、2度に渡るアメリカでのヒアリングの結果、倒産手続開始前の与信取引の保護としては十分に機能していないと、判断した。 そこで、金融債権調整型私的整理において、取引債権者の信用供与型取引は完全に保護され、金融機関も、私的整理に期間中に行った運転資金などの融資につき、その弁済が否認されたり、回収のための相殺が相殺禁止に触れたりしないよう、我が国の「支払不能」の概念を検討し、新たな解釈を提案した。
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