研究課題/領域番号 |
25380107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上田 純子 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40267894)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 信託 / エクイティ / 取締役の義務 / 英国会社法 / オーストラリア・ヴィクトリア州会社法 / オーストラリア・統一会社法典 / 一般的および派生的義務 / 義務違反への救済 |
研究概要 |
本研究課題は、英国およびオーストラリアにおけるエクイティ上の取締役等会社経営者の一般的および派生的義務をその淵源にまでさかのぼり、その発展の軌跡をたどることにより、コモン・ロー上の義務や会社制定法上の義務を含めた取締役等会社経営者の義務の今日における全体像を明らかにすることを目的としている。 上記目的のもと、本研究は、①英国における設立証書会社に関する裁判例を丹念にあたり、信託的構成による取締役等会社経営者の義務と義務違反の際の救済の分析、②英国2006年会社法およびオーストラリアにおける1958年ヴィクトリア州会社法・1961年統一会社法典の立法過程および法施行後の裁判例分析、ならびに、③英国およびオーストラリアにおける制定法上の義務に関する裁判例分析と従来の判例法理との関係の検討、の3つの柱により構成される。 初年度である平成25年度は、第一の柱である英国における設立証書会社の取締役の一般的および派生的義務に関する裁判例を収集し読み解くことに腐心した。研究計画に沿い、年度中に1回英国に渡航し、現地の研究者と研究課題に関する情報交換および意見交換を行った。また、現地の研究施設を訪問し、古いものを中心に国内で入手しがたい貴重資(史)料の収集に努めた。収集した資(史)料は膨大な頁数を数え、現在それらを読み進め理解を深めている途上である。中間成果は、口頭発表の形ではあるが、平成24年9月に国内の研究会において披瀝され、研究会参加者との質疑応答を通じて、自分自身にとっての本研究の意義や今後の研究の方向性が明確化するとともに、若干の展望も得られた。現時点では中間成果にとどまらざるを得ないが、一定の知見が得られた段階で、研究ノート等の形で公表したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度中に中間成果を活字により公表する予定であったが、公表できなかったため
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には、昨年度に収集した文献を整理し読み進めることにより得られた知見を活字でもって公表する。その前提として、研究会等の場を活用して積極的に研究成果について客観的視点で指摘を受けることを心がける。また、英国およびオーストラリアに渡航して、現地研究者との情報交換・意見交換を行うとともに、現地の貴重資(史)料の収集に努める。可能であれば、現地研究者の参加を得たセミナー等の機会を以て、自分の着想・研究内容・方向性等を披瀝しフィードバックを得る機会を設けたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
航空運賃が予算より安価であったこと等による。 今年度の旅費に充当する。
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