研究課題
本研究は、①英国における信託的構成による取締役等会社経営者の義務と義務違反に対する救済の分析、②英国2006年会社法およびオーストラリアにおける1958年ヴィクトリア州会社法・1961年統一会社法典への取締役義務規定の導入化過程と法施行後の裁判例分析、および、③英豪における制定法上の取締役の義務に関する裁判例の論理と従来の判例法理との整合性の検討、の3つの柱より構成される。本課題助成最終年度となる平成27年度は、上記①ないし③のすべてにつき、前年度までに収集しえた情報・資料等の補完と新たな情報・文献の収集等、および、それらの整理・読解作業に追われた。入手情報・資料等はすでに膨大な量にのぼり、新たな知見をピックアップし、分析している途上である。英国におけるユース・トラストから会社経営者等の制定法上の義務への道程については、前年度公表した研究論文「Trusteeship--系譜と素描」(法政研究第81巻第3号所収)に描出しえたので、現在は、①当該論文およびその後得られた知見による当該論文テーマの深化、②近年の上場会社のガバナンスにおける会社外部の機関投資家等とのトラスト関係へのテーマの拡大、および、③英豪の比較分析、に同時並行で注力している。これらについては、研究期間終了後にはなってしまうが、成果としてまとめ、随時公表したいと考えている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
European Business Law Review
巻: Vol.27, Issue 2 ページ: 223~241頁
法政研究
巻: 第82巻第2・3合併号 ページ: 275~305頁