研究課題/領域番号 |
25380108
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
長畑 周史 横浜市立大学, 総合科学部, 准教授 (30515078)
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研究分担者 |
大澤 正俊 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (50305463)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 内部統制 / 非営利法人 / 社団法人 / 財団法人 |
研究実績の概要 |
本研究は会社法で規定されている内部統制構築義務が非営利法人(社団法人、財団法人)に関する法律にも同様の規定が整備されていることについて、その構築状況の違いを調査し組織構造から生じる問題の改善などの提案を試みるものである。本研究は三年計画であり、二年目である平成26年度は非営利法人に内部統制の構築状況について調査を行い、その上で非営利法人が有する固有の問題点について主にガバナンス部分を中心に検討して解決策の提案を行うこと、またその成果の公表を計画していた。 初年度の研究成果から、内部統制の構築状況についてはアンケート調査を行うこととし、データベース作成を進めていたが、平成26年6月頃には行政から移行完了した法人のデータベースが公開されたため、こちらの法人データを元に合計で5000サンプルを抽出してアンケート調査を行った。調査結果は、取りまとめ及び分析に時間がかかったが、平成27年度中に公表する予定である。 さらに、また非営利法人のガバナンスの固有の問題点については、論文としてまとめて、長畑周史「非営利法人のガバナンスの問題点についての試論」横浜市立大学論叢社会科学系列65巻1・2・3合併号(2014年)235-247頁に公表した。また、平成27年11月時点での研究成果を青森法学会第17回研究大会にて「非営利法人における適切な内部統制の構築とその有用性の分析」として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載した平成26年度の研究計画は概ね達成していると考える。 本研究は三年計画で、研究二年目では、内部統制に関する実態調査を行うことをあげていたが、平成26年8月に実施することができた。その結果の取りまとめと分析には、統計的手法が必要なため時間を要しているが、研究三年目である平成27年度中には公表できる見込みである。 また、理論的な側面からの分析は、平成26年度中に論文を公表した。また、同年11月までの研究成果をまとめて学会報告を行った。なお、同論文では問題点の指摘と内部統制の有用性を指摘するに留まるものであり、今後の理論研究に発展性を残すものとなっており、この点では新たな研究テーマを得たと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究三年目である、平成27年度については平成26年度に行ったアンケート調査のデータの分析を行い成果を公表する予定である。非営利法人においては会社よりも法人数が少ないため同業他法人の内部統制構築について参考とする情報が少ないと予想しており、本研究成果が非営利法人の内部統制構築の参考となるものと考えている。 さらに、時間が許せば、理論的側面からの検討(出資者不在という根本的問題点及びアメリカ法からの検討)などを行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
非営利法人の内部統制構築状況を調査するために、アンケート調査を選択したための郵送費及び返送費が必要になったことに加えて、アンケート送付先のデータベース構築、封入発送作業、返送分のデータ入力などで当初の想定よりも人件費が必要になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度中にアンケート返送分のデータ入力は終了しており、残りの分析作業、成果取りまとめ作成作業については費用がかかることを予定しておらず、残りの資金で研究遂行が可能であると考えている。
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