研究課題/領域番号 |
25380117
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
棚村 政行 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (40171821)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 面会交流 / 養育計画 / 子の監護 / 養育制度支援 / 面会交流支援 / 離婚後の子ども養育 / 離婚後の親権・監護 |
研究実績の概要 |
2014年4月12日(土)に、千葉県弁護士会で開催された「別居・離婚後の面会交流」につき、早稲田大学の棚村が参加し、面会交流についての父母への教育的プログラムや子への心理的支援の必要性を説いた。2014年7月26日(土)には、早稲田大学9号館5階第1会議室において「みんなで支える離婚後子ども養育」というテーマで、身近な行政・基礎自治体が行う子ども養育支援モデル、とくに兵庫県明石市や東京都文京区などの取組みを紹介するとともに、面会交流支援団体からの意見聴取、当事者から見た望ましい支援策について検討した。2014年8月20日(水)には、明石市において弁護士会、FPIC、裁判所、社会福祉士会等の「養育支援ネットワーク連絡会議」が開催されたため、棚村がオブザーバー参加した。2014年8月29日、鳥取調停協会連合会の倉吉での研修会で「これからの面会交流ー実効性ある調停での解決を目指して」の講演を棚村が行った。2015年1月25日(日)の午後からは、明石市の生涯学習センターで、「離婚とこどもの気持ち」という親教育プログラムが試行的に実施され、棚村がオブザーバー参加した。2014年12月27日(土)、2015年3月18日(水)早稲田大学8号館219会議室で面会交流支援の比較法研究会を開催した。2015年3月10日~12日まで、韓国のソウルの家庭法律相談所、ソウル家庭法院を訪問し、DVと面会交流支援、高葛藤家族と面会交流支援につき、趙副所長、金家事部部長判事、宋賢鐘専門調査官からヒヤリングをした。2015年2月から3月にかけて、厚生労働省児童家庭局の「離婚前の子どもの養育に関する取り決めを促すための効果的な取り組みに関する調査研究事業」により設置された子の養育に関する研究会座長を棚村が務め、調査報告書をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
面会交流支援について、民間機関であるFPIC、名古屋の一般社団法人チャンス、ビジット、養育費相談支援センター等の実情について調査するとともに、東京家庭裁判所、鳥取家庭裁判所、横浜家庭裁判所、裁判所職員総合研修所などとの関係機関の連携についても具体的な提言を行うことができた。また、千葉県弁護士会、日弁連、明石市、文京区、岡山市などの基礎自治体、千葉県、熊本県、東京都における面会交流支援の実情と課題についても把握し、その取り組みと今後との課題について、2014年度厚生労働省児童家庭局の「離婚前の子どもの養育に関する取り決めを促すための効果的な取り組みに関する調査研究事業」により設置された子の養育に関する合意形成支援研究会の座長を棚村が務め、具体的な基礎自治体を中心にした離婚前合意形成支援のための調査報告書をとりまとめることができた。本研究成果に基づき、今後、厚生労働省を中心して面会交流や養育費での合意形成支援の取り組みが開始されることになった。
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今後の研究の推進方策 |
すでに述べたように、2014年度厚生労働省の離婚前の面会交流や養育費の合意形成支援の取り組みと提言について報告書を取りまとめることができたので、今後、全国の基礎自治体を中心に具体的にどのような取り組みが行われたかを調査するとともに、厚労省の面会交流支援事業の課題や今後の合意形成推進策を探るとともに、関係機関による子ども養育支援ネットワークの構築につき実証的な研究を進め、日本弁護士連合会、最高裁判所、東京家庭裁判所、法務省、厚生労働省等との連携をしながら具体的な提言と方策のとりまとめをしたいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、FPIC大阪への出張を予定していたが、2014年8月の明石市で開催された子ども養育支援ネットワーク連絡会議において、大阪の責任者とお会いすることができ、面会交流支援の実情と課題につきヒヤリングや意見交換ができたために、別途出張の必要性がなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後は、明石市において面会交流支援事業や相談体制、関係機関のネットワーク連絡会議が開催されることになるため、1回分の旅費として使用する予定である。
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