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2016 年度 実績報告書

定期建物賃貸借は空き家問題を解決するか――定期建物賃貸借の法制度上の問題点

研究課題

研究課題/領域番号 25380123
研究機関早稲田大学

研究代表者

秋山 靖浩  早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (10298094)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード定期建物賃貸借 / 定期借家 / 空き家
研究実績の概要

本年度は、(1)平成27年度における現地調査によって明らかとなった、ドイツ・ライプチヒの「守り人の家Waechterhaus」プロジェクト、すなわち、《市街地中心部の空き家をそのまま放置しておくのではなく、希望者に格安で貸し出し、借主が芸術活動などの活動を行うことによってその空き家の価値を高め、いずれは市場家賃で貸し出せる住宅として再生するというプロジェクト》について、その詳しい内容を調査するとともに、(2)このようなプロジェクトが空き家問題の解決にどのようなインパクトをもたらしうるかを検討した。
(1)については、この取組みがハウスハルテン協会によって行われていること、空き家の所有者と同協会との間で使用協定を締結した上で、同協会は一定期間(約5年間)、賃料なしで物件の使用希望者にその建物を提供すること、使用者(家守)は、各自の目的に沿って建物を改修して使用すること(芸術・文化イベントの開催場所として使用されることも多い)、使用者には期間終了後の原状回復義務はないこと、建物所有者は建物の修繕等の負担から解放されること、若者や芸術家が集まることによって近隣に好影響を与え、地区の魅力を高めていること、などが明らかになった。
以上からは、(2)について、①非営利活動団体等が介入して空き家の所有者と借り手とを結びつける仕組みが有用であること、②空き家の活用に当たっては、空き家所有者の修繕等の負担をどのように軽減するかが重要であること、③空き家の売買や賃貸がうまく進まないまま放置されるよりは、暫定的な形でも利用されたほうが望ましいこと、などの有益な知見が得られた。
これらの点は、平成27年度までに得られた知見とも重なる部分が多い。つまり、上記①~③のような観点を踏まえた各種の取組みを用意してはじめて、定期建物賃貸借の制度は空き家問題の実効的な解決につながっていくものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 不動産裁判例の動向2016

    • 著者名/発表者名
      秋山靖浩
    • 雑誌名

      現代民事判例研究会編『民事判例XII2015年後期』(日本評論社)所収

      巻: 巻号なし ページ: 20-27

  • [雑誌論文] 主たる債務者に対する求償権の消滅時効の中断事由と共同保証人間の求償権(最判平成27年11月19日)2016

    • 著者名/発表者名
      秋山靖浩
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 430号 ページ: 135-135

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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