最大の研究成果は二冊の単著を執筆し、出版したことである。一つは、1955年の結党から現在に至る自民党の歴史を組織とイデオロギーの両面で論じた『自民党政治の変容』である。同書は、自民党が党近代化の時代から、日本型多元主義を経て、新自由主義と右傾化の時代へと変化していった歴史的な経緯、およびその背景について詳細に分析したものである。 もう一つは、自民党の現状について、派閥、ポスト配分、政策決定、国政選挙、友好団体、地方組織といった側面から分析した『自民党―「一強」の実像』である。この本では、イデオロギー分析にとどまらない包括的な自民党に関する研究を行ったが、理念についても組織との関連で論じた。
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