研究の結果、委員長など国会の要職にある与党議員は議事日程決定権限を利用し、法案成立を妨げることができ、首相の政策立案を抑制できることが明らかとなった。自民党、さらには民主党が事前審査制を発達させたのは内閣が法案提出後、与党議員が議事日程決定権限を利用して法案成立を妨げることを未然に防ぐためと考えられる。これに対して、イギリスの首相は議会の議事日程決定権限に深く関与することができる。さらに、省庁再編以前から首相の政策立案過程における内閣官房の役割は増大してきていることが明らかとなった。例えば、海部内閣における日米構造協議、橋本内閣における省庁再編の企画はその一例である。
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