平成27年度の研究実績は主に以下の3つである。 1.日本会議関係者との取材:まず、計画通り引き続き日本会議国会議員懇談会の役員達(残り40人程度)に手紙や電話で連絡し、インタビューを依頼した。その結果、3人の国会議員に直接インタビューし彼らの日本会議への思いについて尋ね、彼らの政治信念と日本会議のイデオロギーの類似の程度を計ることができた。そして、三重県日本会議の中心的な役員の1人にもインタビューし、政治信念および所属の動機に関して詳細に質問することができた。 2.日本会議に関する有識者との意見交換:日本国内で日本会議等を研究対象にしてきた3人の有識者と意見交換をした。彼らは日本会議に関して報告者と若干違う見解を持っていたので分析の視野の広がりに繋がった。 3.研究成果のまとめ・一般公開:計画通り昨年の6月にオスロ大学(ノルウェー)で「日本における世俗の形成」というテーマについて開催されたワークショップに参加した。このワークショップでの他の報告と併せ報告者の「Nationalist circles in Japan today: the impossibility of secularisation」という題目の論文も京都にある国際日本文化研究センターの英語版の雑誌に掲載される予定であり、現在査読中である。また、『Monde chinois Nouvelle Asie』というフランスの学術雑誌に日本会議における新興宗教についての論文を掲載した。最後に『Diplomatie』というフランスの雑誌に日本の政治右翼が持つ国際関係に関する2元論的な世界観について論文を掲載した。
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