研究課題/領域番号 |
25380160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
松井 望 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (70404952)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地方政府 / 委任 / 監督 / 官僚制 |
研究概要 |
本研究では,プリンシパル・エージェント理論を準拠しつつ,わが国の地方政府内部の委任・監督構造を考察を進めている.特に,地方政府内部での委任内容の一貫性を保ちながら,受任側の自律性を確保する二つの課題を実現するうえでの前提条件への理論的・実証的な研究を進めている. 平成25年度は,実態調査及び研究成果の公開にむけた基盤整備を主たる目的におき,次の3種類の研究を進めた. 一つめは,委任と監督の関連資料の収集・整理である.各自治体の各例規集及び各種行政改革関連計画等を中心とした資料収集と分析を進めた.これにより,委任と監督制度に関するデータ化作業を進めることができた.二つめは,制度運用と具体化の過程に関する聞き取り調査である.研究計画上は政令指定都市を対象に置いた聞き取り調査の実施予定を,調査作業の進捗と情報取得の実現可能性を考慮し,対象を東京都に改め,実施した.調査では,特に施設空間をめぐる委任と監督を具体的なテーマにおき,聞き取り調査を実施した.三つめは,関連資料・情報等の収集である.委任と監督に関する自治体の行政運営や行政手法,政策実施等に関する文献収集や資料収集を継続的に実施した. 以上の現状分析をもとに,平成25年度では,地方政府内の首長と幹部職員,幹部職員と管理職,管理職と一般職員のそれぞれ職位の間での委任と監督制度の現状と制度運用の把握を行った.本研究成果は,制度運用の類型化を行い,仮説的な提示することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的な考察や行政資料の収集等による委任と監督制度の現状把握では,一定程順調に進めるができた.一方で,聞き取り調査に関しては当初計画していた政令指定都市への調査には調査対象自治体との調整から,平成25年度での実現には至らなかった.そのため,平成25年度では,対象自治体を変更し,聞き取り調査による現状把握を進めることとなった.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に実施が叶わなかった聞き取り調査の対象とともに,対象を増加しつつ委任と監督制度及び運用面での特性を明らかにする.研究計画に沿った実施に至るためにも,研究の途中成果を,研究成果の公刊,各種研究会等での口頭発表等を積極的に行うこととする.
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次年度の研究費の使用計画 |
聞き取り調査の対象変更により,使用額を変更することとなった. 物品費での実施を予定する.
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