本研究は,プリンシパル・エージェント理論を準拠しつつ,日本の地方政府内部の委任・監督構造を考察した.特に,地方政府内部での委任内容が一貫性をもちながら,受任者側の自律性を確保するという2つの課題をともに実現するための前提条件を明らかにすべく,理論面と実証面からの研究と考察を進めた. 資料調査では,各自治体の例規集,行政改革資料等の行政文書への調査を行った.インタビュー調査では,公有財産管理,健康政策,復興政策等の各政策分野を対象に上記の問いのもと実施した.以上の調査を踏まえて,地方政府内での委任内容の使い分けの実態を明らかにすることができた.研究結果は,研究論文として公刊をした.
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