研究課題/領域番号 |
25380167
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
村井 良太 駒澤大学, 法学部, 教授 (70365534)
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研究分担者 |
和田 純 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (60327187)
井上 正也 香川大学, 法学部, 准教授 (70550945)
中島 琢磨 龍谷大学, 法学部, 准教授 (20380660)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 長期政権 / 佐藤栄作 / 官邸機能 / ブレーン政治 / 楠田實 |
研究実績の概要 |
本研究は、民主政治下での長期政権のメカニズムと政策形成を、連続在任期間として最長記録を誇る佐藤栄作政権の歴史分析によって明らかにすることを目的としている。本年度の主たる研究成果は、以下の通りである。 1、分析において中心的な資料となる佐藤政権の首席秘書官楠田実が残した未公開資料(以下、楠田資料)について整理を進め、仮目録作成をはじめ利用に向けた補助的作業を行った。 2、研究計画に記したように、研究分担者・協力者がそれぞれの専門性と関心に沿って、外交と内政の両面から楠田資料を読み進め、研究会で、それぞれ佐藤政権と大学紛争、楠田實にとっての政治、Sオペと中国政策、沖縄返還交渉と首相官邸、佐藤政権の意思決定システムへの歴史的前提などについて報告を行った。 3、楠田自身を知り、楠田資料への理解を深めるために、後年つき合いの深かった五百旗頭眞氏に聞き取りを行った。 4、3回の研究会を行い、相互の進捗状況を確認するとともに佐藤政権に対する外交と内政を通じたイメージの構築と共有に努めた。中でも第1回、第2回の研究会は連日行い、集中的に議論することができた。メンバー内でも適宜意見の交換や打ち合わせを行った。 5、以上の作業と連携しながら、各研究分担者において研究成果の公表を進めた。中でも研究計画に記したように、日本政治学会2015年度研究大会にて研究代表者・分担者・協力者の内、村井良太、中島琢磨・井上正也、村井哲也が報告する分科会「民主政治下での長期政権のメカニズムと政策形成―佐藤栄作政権の内政と外交を通して」の設置を申請し、認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究者同士のコミュニケーションもよく、作業、研究ともにおおむね順調に進んでいる。聞き取りを増やして3月に実施することを模索したが申請書での当初の予定通り1件のみとなったものの、他方で申請書に記載した学会報告の機会を得ることができたなど、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き楠田資料の整理と利用を進め、最終年度となる平成27年度は、日本政治学会2015年度研究大会で本科学研究費補助金共同研究メンバーを中心とする分科会報告を行うなど、研究成果を広く社会と共有する努力を行う。その準備としての研究会を開催する。 あわせて生前の楠田實と関係の深い人物への聞き取りを進める。 各自の研究の中で公表できるものは成果としてまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主たるとして、年度末にさらに聞き取りを模索していたためその関連経費を予定していたこと、また、未公開資料の整理に当たっては作業箇所によって粗密や緩急があるため、人件費・謝金について本年度の使用額が予定より少なかった。関連して資料整理を集約的に行ったことと、夏合宿を2日間の研究会方式にあらためたことから旅費の使用額も少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
単年度での増減はあっても、全体としてはおおむね予定通り進捗していると考えている。その上で、聞き取りへの充当に加えて、資料の整理作業、学会報告の準備等に重点的にあてていくことを計画している。
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